ナーシングホームほのか 大友社長インタビュー


介護施設の「見えない価値」への投資:サトヤマコート導入で拓く新たなケアのかたち

本日は、「ナーシングホームほのか」に「サトヤマコート」を導入された、有限会社穂乃香の代表取締役大友新様に、その経緯と導入後の手応え、そして今後の展望についてお話を伺いました。サトヤマコートは、自然由来のエキスを活用した新しいタイプのコーティング技術で、その導入は単なる感染対策にとどまらない、深い理念に基づいていると言っていただきました。今回の導入は、運営事業者が主体的に行うものとしては全国初の事例となり、その背景と今後の展望について深く掘り下げていきます。


導入の経緯と「サトヤマコート」への深い共感


関: 今回、貴施設でサトヤマコートを施工されることになった経緯から、あらためてお聞かせいただけますでしょうか。

 

大友氏: はい、大きく二つの側面から「これは良いな」と思いました。一つは、サトヤマコートの理念と開発者の考え方に深く共感した点です。里山で採れる柿やよもぎなどの自然由来のエキスを使用しており、施設内に「里山の空気」のような雰囲気をもたらすという理念です。近年、コロナ禍やインフルエンザ流行といった感染症との戦いにおいて、私たち介護施設は常に課題を抱えていました。

 

これまでの感染対策では、化学物質を多用して菌を「殺す」という発想が一般的でしたが、サトヤマコートは自然由来のエキスで菌の増殖を「止めていく」という考え方です。これは、ご入居者の方々、特に呼吸器疾患をお持ちの方や匂いに敏感な方にとっても非常に優しいという点で高く評価しました。

 

関: 他の感染対策製品も試された中で、サトヤマコートが特に響いたのはどのような点でしたか?

 

大友氏: そうですね、これまでに「菌がつかない」といった製品の案内も多数ありましたが、正直なところピンとこなかったのです。もちろん科学的な実証や根拠があることは承知していましたが、心から共感するものがなかった。しかし、介護施設というやや機械的な印象の場所が、このコートを塗ることで「自然を感じていただける」という発想に強く惹かれました。これが単なる感染対策に繋がるだけでなく、ご入居者様が施設にいながらにしてサトヤマの空気や自然を感じられることは、里山に長く住んでこられた方々にとって、精神的な安らぎや共感につながると考えたのです。私たちは日頃当たり前に感じている里山の自然のすごさに、改めて気づかされた思いです。

 

また、弊社の企業スタンスとして、SDGsや持続可能な循環型社会、地域との共生を重視しています。身体に良く、自然由来の素材を使っているサトヤマコートは、まさに地域と共に歩むという私たちの方針に合致しており、その点も導入の大きな決め手となりました。


経営的な判断と「効果のある投資」としての位置づけ


関: それなりにコストもかかるサトヤマコートの導入を決断された、経営的な判断についてお聞かせください。

 

大友氏: はい、経営判断としては二点あります。一つは、介護施設にまつわる「あるある」の話ですが、どうしても「匂い」が取れなくなるという課題です。ご入居者様が生活されている以上、これは当然のことなのですが、通常のクリーニングでは落ちない匂いが、時間が経つにつれて部屋に定着してしまうんです。これは将来的にそのお部屋を使う方々のためにも、匂いの定着を防止したいという思いがありました。

 

もう一つは、コロナ禍が明け、国が企業に自主的で責任ある感染対策を求めるようになったことです。コロナやインフルエンザが施設内で発生すると、ご入居者様やご家族の不安が増し、面会制限など、施設の運営にも大きな影響が出てしまいます。感染症が広がることを防ぐため、「プラスアルファの感染対策」としてサトヤマコートは非常に有効だと判断しました。

 

関: コストがかかることに対しては、どのように捉えられましたか?

 

大友氏: この投資は、決して「高い買い物」とは考えていません。むしろ、「ちゃんと効果のある投資」であると判断しました。ご入居者様、ご家族、そして地域の方々に安心を提供することに繋がるからです。目に見えないものへの投資は、その効果が見えにくいかもしれませんが、お客様と真剣に向き合うという当社のスタンスを示す上でも外せないものだと考えています。


導入後の初期効果と「地方創生」に繋がる未来


関: 施工後約1週間以上が経過しましたが、施設内で何か変化は感じられますか?

 

大友氏: はい、まだ初期段階ですが、職員からは「空気が柔らかくなった」「滑らかになった」といった感覚的な変化が聞かれています。特に、匂いに敏感な職員は、そういった変化を感じているようです。

 

また、ご入居者の方々からは、全員ではありませんが、「息が吸いやすくなった」「呼吸がしやすくなった」という声も一部上がっています。サトヤマコートを塗ったことをご存知ない方もいらっしゃる中で、このような自発的な感想が出てくるのは、目には見えないものの、何らかの効果があると感じています。

 

客観的なデータとしても、測定いただいている室内の空気が接する壁等の汚れを示す数値が、施工前の1100~1200から120にまで1/10に大幅に減少しました。これは、「良い空気が循環し、しっかりプロテクトされている」という科学的な結果だと認識しています。

 

関: 今回のサトヤマコート導入は、介護施設の運営事業者が主体的に行うものとしては「全国初」になりましたね。

 

大友氏: はい、そのようです。以前に神奈川で建物のオーナーさんが試験的に導入した事例はあったようですが、介護施設の運営者が「これは良い」と評価し、積極的に導入を決めたのは、弊施設が全国で初めての事例だと聞いています。私どもに対しても、その価値を評価していただき本日のような機会に結びついたことも大変光栄です。

 

関: 今後サトヤマコートが、介護業界に広がる可能性についてはどうお考えですか?

 

大友氏: 介護施設は現在、非常に多く存在し、今後ますます需要と供給のバランスが問われる時代になっていくでしょう。そのような中で、お客様にどう過ごしていただきたいかという企業の考え方や責任が問われます。目に見えないものへの投資に真摯に取り組む姿勢は、今後ますます重要になると感じています。

 

特に地方の介護施設では、人材不足が深刻化する中で、ご入居者様の安全・安心を守りながら継続的に運営していくことがより重要になります。地方に住まう方々で、これまでの里山を実際に作ってきた高齢者の方々も、施設にいながらにして里山の恩恵を受けられることは、「サトヤマプロジェクト」を通じて地方創生の一環にもなり得ると考えています。このサトヤマコートは、開発者側も「想像以上に良いものができた」と仰るほど、素晴らしい製品に仕上がっています。セルロースナノファイバーとの出会いも性能向上に大きく貢献し、10年から15年の持続効果も加速試験で確認されたと聞きました。

 

私たちは、サトヤマコートを単なる商材としてではなく、その価値を深く理解し、真剣に利用者のことを考えている介護施設にこそ導入されてほしいと願っています。空気を大切にするという、奥深い価値を持つサトヤマコートが、介護業界における「見えない投資」の重要性を示すものとして、広く認識されていくことを期待しています。

 

関: 本日は貴重なお話をありがとうございました。